指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
初診時24歳の女性です。歯のがたがた(叢生)に加え、上下の歯が開いています(開咬)。下あごの骨が大きく成長(下顎骨の過成長)してしまい、さらに上あごの骨の成長不足(上顎骨の劣成長)により反対咬合および開咬になっています。これだけ、上あごと下あごのバランスが崩れていると、歯並びだけでは治療不可能です。外科的矯正治療により手術を併用し、治療することになりました。
外科的矯正治療は、矯正治療・手術・入院すべて健康保険適応です(顎口腔機能診断施設の認定を受けたクリニックでのみ可能)。
写真は手術直前の状態です。手術の前の矯正治療で、上あごは第一小臼歯を抜歯し、歯のがたがたを改善しました。下あごは歯を抜かないで整列させました。
外科手術はすべてお口の中で行いますので、お顔に傷が付くことはありません。また、手術に伴う輸血は、事前に自己血輸血を確保しておきますので安全性を確保しています。この患者さんは上顎骨形成術(ル・フォーⅠ型骨切り術)にて、上あごの骨を前方に3mm、さらに後方部を上方に3mm移動させました。下あごの骨は下顎枝矢状分割術により12mm後方に移動させました。
前歯の反対咬合と開咬が改善し、噛み切ることができるようになりました!また、歯のらんぐい状態(叢生)も改善し、大きく口を開けて笑えるようになりました!また、下あごの突出感もなくなり、鼻の付け根(中顔面)の陥凹感も改善され、お顔のバランスが整いました。
眉毛の付け根とお鼻の下、口角、下あごの位置の比率が整い、お顔のバランスが改善しました。
初診33歳の女性です。下あごの骨が大きいことによる反対咬合(受け口)の患者さんです。下の前歯が舌側(内側)に傾いているために、切端咬合(上下の前歯がぶつかっている)になっています。また、左上の第二小臼歯が欠損しているため、上の前歯の中心は左側にずれていて、下あごの骨自体は若干右に曲がっていました。分析の結果、このように、上下の骨の大きさやバランスが崩れているので、歯並び治療と外科的手術をあわせた外科的矯正治療がベストと判断しました。
術前矯正として、審美ブラケットが装着され、ホワイトコーティングしたワイヤーも使用し、見た目にもなるべく目立たないようにとの患者さんのご希望に応えました。
術前矯正が終了した状態です。これから、反対咬合とあごの右曲がりを手術によって改善することになります。手術はお口の中から行われますので、お顔には傷一つつきません。また、手術に伴う出血は、自己血輸血(事前に自分の血を貯血しておくこと)で、安全に対応します。
この様に、噛み合わせが改善しました。下あごの大きさが改善され、また、下あごが左右対称になりました。
手術後の術後矯正が終了し、装置がはずれ、保定期間(裏側から見えない装置で押さえて歯がためすること)に入りました。ものをかみ切ることができるようになり、発音も明瞭になりました。顔のゆがみもとれて、すてきな笑顔となりました!