指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
この3症例の①主訴、②診断名、症状、③年齢、④主な装置、⑤抜歯部位、⑥治療期間,、⑦治療費、⑧リスク副作用 さらに詳しい途中経過などは、「治療例」の中の、「外科的矯正治療の治療例」で表記しています。
上段の下顎前突は、「反対咬合(うけ口)」の症例1です。 中断の上顎前突は、「上顎前突(出っ歯)」の症例2です。 下段の顔面非対称は、「顔面非対称(顔が左右にゆがんでいる)」の症例2です。
下顎前突(うけ口)
上顎前突(出っ歯)および開咬
顔面非対称
下あごの骨や上あごの骨が過度に大きく成長したり、逆に成長が少なかったり、またアゴの骨が左右に変形して、上下のあごの骨の骨格的なバランスの乱れが生じ、噛み合わせが悪くなっている方がいらっしゃいます。そのため、矯正歯科治療だけでは噛み合わせを治すことができず、下あごの骨や上あごの骨を切って正しい大きさや位置に改善しなければ、噛めるようにならないことがあります。これは、顎変形症(がくへんけいしょう)といい、外科的矯正治療(矯正歯科治療と外科手術)によって、かみ合わせと上下のあごの骨のバランスを同時に回復する治療が必要となります。
手術は一般的に下顎の骨切り術(下顎骨形成術:下顎枝矢状分割術)、上顎骨骨切り術(上顎骨形成術:LeFortⅠ型骨切り術)およびオトガイ形成術を単独に、または組み合わせて行います。
手術はお口の中から行いますので、お顔に傷はつきません。また、手術に伴う出血には自己血輸血(自分の血液をストックしておき出血時に輸血する)で対応しております。
今は矯正歯科治療も外科手術も両方健康保険が適応されており、治療費の負担が少なくなり、治療を受けられる患者さんが多くなってきております。
この外科的矯正治療は、主に10~50歳代が適応となりますが、
昭和64年より年間約40~50名、現在までに約1200名以上
以下に、当院で行っている外科的矯正治療のシステムを学会などで発表しているものを抜粋しました。
実際のコンピューターグラフィックでのシミュレーションは以下のように運用されています。この患者さんは、反対咬合で、下あごが大きく左に曲がっている患者さんです。当然、上あごと下あごの両方の手術を行わなければお顔のバランスが取れません。上あごと下あごの移動量を第一回目のシミュレーション(上図)で、バランスが取れ、しかも手術可能な骨の動きをしているかを確かめました。丸印のところで、骨の当たりや隙間が大きいことが判明しました。そのため、手術計画の変更となり、上下の骨の移動量を調節して、どうなるかを見たのが2回目のシミュレーション結果(下図)です。口腔外科との協議の結果、2回目のシミュレーションの手術プランが採用されました。