指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
矯正治療を始めて約25年になります。最近は、本来の治療に入る前に、本人や両親にいろいろな注意や指導を行わなければなりません。
中国の古い習慣で、成長期に、足の周りを帯で締め付けて足のサイズを小さくする「てん足」を知っていますか?足の一部分の形態的成長抑制をするのですが、足首や足の甲は上に盛り上がって太くなり、歩行が困難になるなど足本来の機能低下をもたらしていました。つまり、成長期に異常で持続的な力が全身の部位に作用すると、その部位と、その周辺に偏位や変形などのひずみが生じます。さらに、近年の生活習慣の変化により、現代の子供たちは全身の筋肉や骨が弱く、そのひずみの影響を大きく受けやすくなっていると思われます。
例えば、今の子供たちは柔らかいものばかり食べているので、かむ筋肉が発達せず、あごの骨も細くなり、顎(がく)関節も弱くなっています。このような状態の子供たちに、ほお杖をついたり、一方向を向くうつぶせ寝をしたり、片方だけでかむなどの悪習癖があると、あごがずれて顔面の左右の対称性が崩れ、顎関節の動きや、噛むという機能にも障害を生じることがあります。特に成長期の子供の生活習慣には注意を払ってください。まず、寝方一つをとっても、1.うつぶせ寝をしない 2.横向き寝でも一方向だけを向いて寝ない 3.あごに手などを当てて寝ない 4.丸くなって寝ない など気をつけなければなりません。
それでは、簡単に全身をチェックしてみましょう。全身鏡の前に立って次のことに注意してください。1.頭の位置は斜めに傾いていないか 2.猫背で、頭の位置が前方になっていないか 3.目、鼻、口、あごの対称性はどうか 4.左右の肩は同じ高さか 5.腰の位置はどうか みなさん、どうですか?