指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
歯科医院での検査といえば、歯の型を取ったり、レントゲン写真の撮影するなどの検査を思い浮かべるでしょう。しかし、CT(コンピュータ断層撮影)や、MRI(磁気共鳴映像撮影)と呼ばれる検査を行うこともあるのです。
MRIは、主に歯科領域では顎関節症(口が開きにくくなる、開けると痛みが生じる、関節の音がなるなど)の状態を調べるために撮影することがあります。MRIは、JR札幌病院に撮影依頼を行うことが多いです。歯科用CTは、ここ10年(平成14年頃から)で普及し始めました。このCTは、コーンビームCTと呼ばれるタイプですが、X線の被爆量が少なく、より細かい形まで高精度な画像を得ることができます。
当院では、9年前(平成15年)から歯科用CTを運用しており、主にあごの骨の三次元分析や、顎関節の分析、親しらずや埋伏歯(骨の中に歯が埋まって出てこない状態の歯)の位置確認、耳鼻疾患の確認などに利用しています。当院での利用のほか、口腔(こうくう)外科や耳鼻科などの医師とのコミュニケーションツールとしても活用しています。また、一般の歯科クリニックからの依頼として、近年普及してきている歯科用インプラント(人工歯根)の骨検査なども行っています。
三次元画像解析ソフトの発達も著しく、最近では、顎変形症(あごの骨の形の異常による不正咬合)の患者さんの顎変形手術前の顔の情報から、手術した後の顔を予想して、手術の前に自分がどの様な顔になるのかを知ることもできるようになりました。
歯科用CTの登場によって、今までのレントゲンの影絵のような平面的な画像から知識と経験を駆使して形を想像するだけはなく、必要に応じて、骨や歯の形そのものの立体的な形を調べることができるようになりました。そのため、歯科医療技術のパラダイムシフトの一翼を担っています。