指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
MFTとは、マイオファンクショナルセラピーの略で、口腔(こうくう)筋機能療法のことです。口腔顎(がく)顔面の成長発育にとって、口腔顔面の筋肉が形態と調和して機能することは大変重要です。つまり、口腔機能を乱すような悪い習癖があれば、それに対応して歯列、かみ合わせの異常や骨格の発育の異常なども引き起こしかねないということです。また、こうして発生したかみ合わせを矯正治療で改善しても悪習癖が残っていれば治療後の後戻りの原因となることもあります。
では、口腔顔面筋機能障害(悪習癖など)には、どのようなことがあるのかを説明します。舌については、突出癖、低下位、舌小帯の付着位置異常、異常嚥(えん)下癖(だえきをのむときの癖)など。唇については、閉鎖不全(口が閉じにくい)、上唇小帯の付着位置異常、人中(鼻と上唇との間)の発育不足など。オトガイ(下顎)については、オトガイの過緊張(口唇を閉じたときに下顎の筋が大きく盛り上がる)など。かむ筋力については、食べ物をよくかんでいるか、左右バランスよくかんでいるかなど。そのほか、かみしめ、歯ぎしり、指しゃぶり、爪のかみ癖などの悪習癖や、発音、姿勢、頭位(頭と体軸の位置関係)、うつぶせ寝、ほおづえ、耳鼻疾患、アレルギーなどが考えられます。
治療は、その人の咬合状態が、これらの機能障害と、どの程度関係しているのかを判断し、MFTが必要なのか否かを決定します。
口腔顔面の周囲筋が調和して機能することにより、矯正治療の進行を促進したり、完成した咬合状態を長期的に安定させたり、口腔顔面筋が機能的に活動することによって表情も豊かになり、充実した日常生活にもつながります。