指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
外科的矯正治療についてⅠ~Ⅴの連載の中で、骨格性のうけ口や出っ歯、そして顔のゆがみ等の改善例を説明してきました。
いままでの事をまとめると、外科的矯正治療は、いいかえればゆがんだ家を建て直す事と同じです。下あごの骨を1階、上あごの骨を2階、上下の歯並び・かみ合わせを柱と考えてください。たとえば土台が傾いていたり、一階と二階のバランスが崩れている家は、いくら柱を建て直しても良い家を作ることが出来ません。矯正歯科治療だけでは、柱だけ建て直す事(しかもゆがんだ角度で)と同じなので、上アゴや下アゴの骨自体の大きさの違いや位置のずれが大きい場合、骨自体の関係(家に例えると土台や一階と二階のバランス)を改善しなければ理想的な歯並びにすることが出来ません。土台がしっかりしていて一階と二階のバランスが良く、柱が真っ直ぐ建っている家は、地震が起こったり、台風が来たりしても、びくともしません。長い人生の中では、スポーツの時に奥歯を咬み締めて力を出したりする事もあれば、寝ている時にストレスで歯軋りをする事もありますし、交通事故などでアゴを打ってしまう事もあります。そのような時にある程度耐えられるような理想的で丈夫な歯並びにするためには、上アゴと下アゴがずれていては充分な治療はできません。そこで外科的矯正治療によって骨の問題を解決する必要がでてきます。
歯並びだけではなく顔のバランスを整えるような治療を行うことによって、結果的に長期に安定した歯並びを得られますし、そればかりではなく、笑顔のバランスを美しく整えることにもなります。
このような外科的矯正治療も、口の中からのみの手術が行われ、しかも現在はすべて健康保険で受けられます。専門の矯正歯科医師などに相談してみてください。