指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療) 顎口腔機能診断医療機関
前回(外科的矯正治療についてIV)において、正面から見た顔の左右のバランスをチェックする方法を説明しました。皆さんはどうでしたか?顔のゆがみがひどい方はいらっしゃいませんでしたか?以前では治療が難しく、あきらめていた方も多いと思われます。
では実際に上と下の顎が両方とも大きく変位している場合の外科的矯正治療はどのようにして行われるのでしょうか?
図Iは、顔を正面から見たときの手術前の骨と顔の輪郭です。左右の瞳の真ん中と鼻の先端を線で結んで、顔の真ん中に正中線(赤線)を仮想します。上顎は右上がりに曲がっており(☆印)、下顎は右のほうに変位しています(★印)。図IIは手術後の状態です。奥歯の高さが左右で違っている上顎の骨を水平に改善する手術を行い、それに合わせて左右の大きさが違って大きくゆがんでいる下顎の骨も左右対称的な位置や形に改善します。このような手術によって、理想的な歯並びや咬み合せを作ることができ、さらに何十年も安定した歯並びを維持できるようになります。また、その人の気になっているお顔の歪みも審美的に改善され、表情や笑顔に不自然な感じが少なくなると考えられます。
このような外科的矯正治療も、口の中からのみの手術が行われ、しかも現在はすべて健康保険で受けられます。専門の矯正歯科医師などに相談してみてください。